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NISAは「売らずにほったらかし」が正解。よく聞く話ですし、わが家もそのつもりで始めました。

でも実際には、この2年で2回、まとめて売りました。どちらも家の事情で、まとまったお金が必要になりそうだったり、実際に必要になったりしたためです。

いま振り返ると、1回目は売らなければよかった。2回目は、必要なときに売れて助かった。同じ「売る」でも、結果はまったく違いました。

何が違ったのか、SBI証券の取引履歴を2年分見返して整理しました。NISAを売るか迷っている人の参考になればうれしいです。

📖 この記事でわかること

  • 「売らなければよかった」1回目と「売れてよかった」2回目の違い
  • 旧つみたてNISAは売ると戻らないこと、売った枠はすぐには戻らないこと
  • NISAを売る前に確認したい3つのこと

わが家がNISAを売った2回

まず、ざっくりの流れです。

時期したことその後
2024年11月投資信託をほぼ全部売った(新NISA・旧つみたてNISA・特定口座)結局そのときはお金を使わなかった → 2025年4月に買い直した
2026年10月成長投資枠の個別株をほぼ全部売った予定どおり使う。つみたて投資枠の積立は続けている

どちらも理由は「家の事情でお金が必要になりそうだった/必要になった」です。違ったのは、お金が必要になることが「決まっていたかどうか」でした。

1回目(2024年11月):「必要になるかも」でほぼ全部売った

売りたくなかったけど、2週間でほぼ全部売った

2024年の秋、家の事情で、近いうちにまとまったお金が必要になりそうな状況になりました。

正直、売りたくはなかったです。でも「お金が必要になるとわかっているのに、このまま運用を続けていていいのか」と考えてしまい、売ることにしました。

履歴を見返すと、11月の2週間で、新NISA・旧つみたてNISA・特定口座の投資信託をほぼ全部売っています。毎月の積立も、買ったそばから売っていました。いま見ると、かなりあわてていたのがわかります。

結局、そのときはお金を使わなかった

ところが、予定が先に延びて、売ったお金はそのまま使わずに済みました。

現金のまま置いておくのはもったいない。そう思って、運用を再開することにしました。

買い直したら、たまたま安かった(でも運です)

買い直したのは2025年4月です。ちょうど株価が大きく下がっていた時期でした。

NISA口座で売った日と買い直した日の基準価額(1万口あたりの値段)を比べると、こうなります。

ファンド売ったとき買い直したとき差
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)2024年11月12日2025年4月8日約19%安く買えた
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)2024年11月13日2025年4月8日約16%安く買えた

数字だけ見ると、うまく売り買いしたように見えます。でも、これは完全にたまたまです。買い直したのは「お金を使わないことになったから」で、下がったのを見て狙ったわけではありません。後から見返して「いい時期だったんだ」と気づいたくらいです。

得をしたのは運でした
もし株価が上がっていたら、売ったときより高い値段で買い直すしかありませんでした。売って、下がったところで買い直す。狙ってできることではないと思っています。

取り返せなかったもの:旧つみたてNISA

それでも、売って失ったものがあります。2023年までの旧つみたてNISAで積み立てていた分です。

旧つみたてNISAで買った投資信託は、買った年から20年間、非課税のまま持っておけます。2024年からの新NISAとは別枠なので、新NISAに「移す」必要もありませんでした。

でも一度売ると、その非課税の器はなくなります。非課税で買い直すには、新NISAの枠を使うことになります。金額は小さかったのですが、いちばん「売らなければよかった」ものでした。

旧NISAの分は、売らなくても新NISAと並べて持っておける
旧つみたてNISAは買った年から20年、旧・一般NISAは5年、非課税で持っておけます。新NISAの枠とは別なので、新NISAに移すために売る必要はありません。売っても新NISAの枠は増えず、旧NISAの非課税だけがなくなります。

2回目(2026年10月):本当に必要になって売った

成長投資枠の個別株を現金にした

2025年の終わりごろから、成長投資枠で個別株を少しずつ買っていました。目的は「今を豊かにすること」です。

お金が働いてくれている感覚がうれしかったですし、配当金が入るたびにうれしかったのを覚えています。教育費のための積立とは別に、「今の楽しみ」として持っている株でした。

2026年10月、家の事情でお金が必要になることが決まりました。そこで、成長投資枠の個別株をほぼ全部売りました。

損益は、売った個別株をまとめると約+3%(受け取った配当は含みません)。大きく勝ったわけでも、負けたわけでもありません。

一方、つみたて投資枠のオルカン積立(月5万円)は売っていません。今も毎月そのまま積み立てています。

必要なときに売却できて助かった

このとき、NISAにしておいてよかったと思いました。

iDeCoと違い、NISAには「原則60歳まで引き出せない」という制限がありません。必要なときに売却でき、売却益に税金がかからなかったことも助かりました。ただし、売ってから銀行で使えるお金になるまでには数日かかります(国内株式なら、売った日の2営業日後に受け渡し)。

iDeCoとNISAどっちを先に始めるべきかの記事で「まさかのときに引き出せる」ことをNISAを先にした理由に挙げていましたが、それが本当に役に立ちました。

気づいたこと:売った枠はすぐには戻らない

売ったあとで、ひとつ気づいたことがあります。売った分の枠は、その年のうちには戻らないということです。

新NISAは、売った商品を買ったときの金額(簿価)の分だけ、非課税保有限度額(総枠1,800万円)の空きが翌年に戻ります。でも、その年の年間投資枠(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)は戻りません。また、翌年以降も年間投資枠に上乗せされるわけではなく、1年に買える金額は年間投資枠の範囲内です。

わが家は2026年、個別株を買ったり売ったりしているうちに、成長投資枠240万円をほぼ使い切っていました。売って現金にしても、今年はもう成長投資枠でほとんど買えません。

新NISAで売ったときの枠のルール(2026年10月時点)
・売った分の枠は「翌年」に戻る(同じ年のうちには使えない)
・戻るのは「買ったときの金額」の分(売った金額ではない)
・戻るのは総枠(1,800万円)の空き。年間投資枠(つみたて120万円・成長240万円)は増えない
※金融庁は、売った分の総枠が「売った年のうちに」戻る形への見直しを要望しています(2027年度税制改正要望・以前からの継続要望で、まだ決まっていません)。

2回売ってわかった、売る前に確認したい3つのこと

1. 本当に必要なのは「いつ」「いくら」か

結果的には、あのときほぼ全部を売る必要はありませんでした。もちろん、必要になる可能性が高いなら、早めに現金を用意しておく判断にも意味があります。ただわが家の場合は、まず「必要になるかもしれない金額」と「時期」を整理して、売る範囲を考えればよかったと思っています。

2. 近いうちに使うかもしれないお金は、最初からNISAに入れない

そもそも、近いうちに使うかもしれないお金がNISAに入っていなければ、売るかどうか迷う必要もありません。

わが家はいま、使う予定のあるお金は生活防衛資金や銀行の目的別口座で分けて置くようにしています。

3. 売るなら、どこから売るか

売るときは、どの口座の何から売るかで損得が変わります。口座ごとの違いはこんな感じです。

  • 旧NISA:売ると、残っていた非課税期間ごとなくなる
  • 新NISA:売った分の総枠は翌年に戻る
  • 特定口座:利益に約20%の税金がかかる(損が出ているものなら税金はかからない)

ただ、口座の種類だけで順番は決まりません。持っている商品のリスク、含み益・含み損、非課税期間の残りもあわせて考える必要があります。

わが家の場合は、ほぼ全部を売る前に「旧つみたてNISAの分は残せなかったか」を先に考えればよかったと思います。

今のわが家のルール

  • つみたて投資枠:オルカンを月5万円、触らずに積み立てる
  • お金が必要になりそうなときは、まず生活防衛資金で考える
  • 売る前に、必要な時期と金額を整理して、必要な分を間に合うように売る

まとめ

  • NISAを2回売った。どちらも家の事情で、お金が必要になりそうだった/実際に必要になったから
  • 1回目は「必要になるかも」でほぼ全部売って、結局使わなかった。安く買い直せたのはたまたま
  • 旧つみたてNISAの分は、売ると非課税が戻らない。売らなければよかった
  • 2回目は本当に必要で売った。iDeCoと違って、必要なときに売れるのがNISAの強み
  • 売った総枠が戻るのは翌年。年間投資枠は戻らないので、売り買いをくり返すとその年の枠を使ってしまう

「NISAは絶対に売らない」ではなく、「必要な時期と金額を整理して、必要な分を、間に合うように売る」。2回売ってたどり着いた、わが家の結論です。

NISA全体の始め方は〈NISAを始めたい人へ(ガイド)〉にまとめています。