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※筆者はFP3級保持者ですが、特定の商品の購入を勧めるものではありません。最終的な判断はご自身の状況に合わせて行ってください。

子どもが生まれたとき、まず調べたのが学資保険でした。

いろいろ読んでみて、結局わが家は入りませんでした。「NISAのほうが増えそうだな」と思ったからです。正直に言えば、ネットで調べただけで、それ以上深くは踏み込みませんでした。

それから数年たった2026年、この記事を書くにあたって調べ直したら——当時の前提がけっこう変わっていました。学資保険に、追い風が2つ吹いていたんです。

この記事では、その変化を踏まえたうえで、返戻率127%が本当はどれくらいの利回りなのかを計算します。そのうえで、わが家の結論が変わったのかどうかも書きます。

📖 この記事でわかること

  • 2026年、学資保険に吹いている追い風2つ
  • 「返戻率127%」を年利に直すといくつか
  • 同じ額をNISAで運用した場合との比較
  • 学資保険にしかない価値(正直に評価します)
  • わが家が出した再結論

そもそも学資保険とは

毎月または毎年、決まった保険料を払い込んで、子どもの進学時期にまとまったお金を受け取る保険です。よく見る「返戻率」は、こういう意味です。

返戻率 = 受け取る総額 ÷ 払い込む総額 × 100

返戻率110%なら、100万円払って110万円受け取れる、ということですね。

ここで覚えておいてほしいのが、返戻率は「何年かけて」が書かれていない数字だということ。これが後で効いてきます。

わが家が検討して、やめた理由

子どもが生まれて、「教育費どうしよう」と考えたのが最初でした。

まわりから勧められたわけではなく、自分でネットで調べたのがきっかけです。当時いくつか比較サイトを読んで、返戻率がどうこう、という話は目にしました。

それで出した結論が、「NISAのほうが増えそう」。それだけです。

正直に書くと、それ以上は詳しく調べませんでした。見積もりを取ったわけでも、相談窓口に行ったわけでもありません。ネットの記事を何本か読んで、なんとなく判断した。それが実際のところです。

その判断が正しかったのか。いま検証してみます。

2026年、学資保険には追い風が2つ吹いている

調べ直して驚いたのが、ここです。

追い風①:予定利率が2001年以来の高水準

予定利率とは、保険会社が「これくらいで運用できるだろう」と見込んで保険料を計算するときの利率です。これが上がると、同じ保障でも保険料が安くなり、貯蓄型の保険は返戻率が上がりやすくなります

長期金利の上昇を受けて、この予定利率がいま上がっています。一時払終身保険では1.75%から2.25%へ引き上げという例もあり、2.25%は1998年7月以来の水準。0.50%という上げ幅は約41年ぶりだそうです。

つまり「学資保険は返戻率が低いからダメ」という、よくある論調は、2026年時点ではそのまま当てはまりません。

追い風②:生命保険料控除が子育て世帯向けに拡充

もうひとつが税制です。

2026年分の所得税から、23歳未満の扶養親族がいる世帯だけ、一般生命保険料控除の上限が4万円→6万円に拡充されます。学資保険もこの枠の対象です。

ただし、これには細かい条件があります。

  • 所得税だけの話(住民税は対象外)
  • 2012年1月1日以後に契約した「新制度」のみ
  • 3区分合計の上限12万円は据え置き

そして大事なのが、控除額がそのまま戻ってくるわけではないということ。控除が2万円増えても、実際に減る税金は数千円です。

【核心】返戻率127%を年利に直すと1.57%

ここがこの記事で一番言いたいところです。

いま調べると、条件のいい学資保険で返戻率127.4%という商品があります(0歳加入・10歳まで払込・22歳満期などの条件つき)。

まず言葉の確認から。返戻率127.4%は「27.4%増える」という意味です。127%増えるわけではありません。ざっくり157万円払って200万円受け取る、という話です。

それでも27%増えるなら悪くない、と思いますよね。でもこれは22年かけての数字です。年あたりに直すと、どうなるか。計算してみました。

金額
払込総額(10年間)約157万円
受取総額(18〜22歳)200万円
差額約43万円
年利に換算すると約1.57%

返戻率127.4%の正体は、年利1.57%です。

これは決して悪い数字ではありません。銀行預金よりずっといい。ただ、「127%」という数字から受ける印象とは、かなり違うはずです。

同じ額をNISAで運用したら

では、まったく同じ金額を同じタイミングで積み立てて、NISAで運用したらどうなるか。

22歳時点の金額
学資保険(返戻率127.4%)200万円
NISAで年利3%運用約264万円
NISAで年利5%運用約372万円

年利5%なら170万円以上の差がつく計算です。

※あくまで一定の利回りで運用できた場合の概算です。実際の運用成績は年によって上下しますし、元本割れの可能性もあります。

わが家の教育費シミュレーションは教育費はいくら積み立てれば足りる?NISAで1,600万円を試算に書いています。

それでも学資保険にしかない価値がある

ここまで読むと「じゃあNISA一択じゃないか」となりそうですが、そう単純でもありません。学資保険にしかない機能があります。

契約者が亡くなったら、以後の保険料は払わなくていい

これが最大の違いです。

学資保険は保険なので、契約者(多くは親)が亡くなったり高度障害になったりすると、以後の保険料の払い込みが免除されます。それでも、進学時期には約束どおりの学資金が受け取れます。

NISAにはこの機能がありません。親に何かあったら、積立はそこで止まります。

「自分に何かあっても、子どもの学費だけは残る」——これは利回りでは測れない価値です。

元本割れしない(満期まで持てば)

途中で解約しなければ、払った額より受取額が下回ることは基本的にありません。NISAは市場次第なので、必要なタイミングで下がっている可能性があります。

勝手に貯まる

保険料は自動で引き落とされ、簡単には解約できません。この「引き出しにくさ」は、貯金が苦手な人にとってはメリットになります。

NISAにしかない価値

逆にNISA側の強みも整理しておきます。

「いつでも引き出せる」は、思っている以上に効く

わが家がNISAを選び続けている一番の理由が、ここです。

教育費って、「大学入学時にドンと一括」だけではないんですよね。

  • 中学から塾に通わせることになった
  • 高校が私立になった
  • 部活の遠征費や、留学の話が出てきた

こういう出費は、いつ来るか事前に読めません

学資保険は、受け取る時期を契約時に決めます。18歳満期で契約したら、17歳でお金が必要になっても、そこからは出せません。解約すれば出せますが、そのときは返戻率が大きく下がります。せっかく22年かけて127%にする設計なのに、途中で降りると台無しになる仕組みです。

NISAなら、必要になったタイミングで必要な分だけ売れます。「いつ必要になるか分からない」という教育費の性質に、素直に合っているんです。

利回りに上限がない

学資保険は契約した時点で受取額が確定します。それが安心でもあるんですが、裏を返せばそれ以上は増えません

NISAは上振れも下振れもします。長期で積み立てるなら、この「上振れの余地があること」は無視できない差だと思っています。

2027年からは子ども名義でも持てる

こどもNISAが2027年1月から始まります。しかも12歳以降なら、教育資金目的で引き出せる設計です。

子ども名義の口座でありながら、中学・高校のタイミングでも使える。ジュニアNISAの「18歳まで引き出せない」という縛りが外れたのは大きいです。

ただし、引き出せるのは弱点でもある

正直に書くと、引き出せるということは、使ってしまえるということです。ここは表裏一体で、教育費のつもりで貯めたお金が別のことに消える危険は常にあります。

わが家は目的別口座で箱を分けて、生活費と混ざらないようにすることで、この弱点を潰しています。仕組みで解決できるなら、自由さは残しておいたほうがいいという考え方です。

わが家の再結論

調べ直した結果、結論そのものは変わりませんでした。引き続きNISAで教育費を準備します。ただ、理由は変わりました

子どもが生まれたときは「NISAのほうが増えそうだから」という、ざっくりした理由でした。いま同じ判断をするなら、こう言います。

年利1.57%が確定していることより、必要なときに引き出せることのほうが、わが家には合っている。

学資保険が悪いのではなく、優先するものが違った、ということです。

正直に言えば、当時の判断は理由が浅かったと思います。ネットの記事を何本か読んで「増えそう」と感じただけで、年利に直して比べたわけでも、払込免除の価値を考えたわけでもありませんでした。

結果的に同じ結論にたどり着いたので後悔はしていませんが、理由をちゃんと持てたのは今回調べ直したからです。

払込免除は、掛け捨ての死亡保険で代替した

ここまで読んで「じゃあ払込免除はどうしたの?」と思った方もいると思います。学資保険の最大の強みを、わが家は捨てたことになるので。

答えは、掛け捨ての死亡保険で別に備えたです。

親に万一のことがあったときの保障だけなら、割安な掛け捨ての生命保険でも用意できます。学資保険のように「貯蓄と保障がセット」になっていない分、それぞれを最適な形で選べます。

貯蓄はNISA、保障は保険。役割を分けたほうが、わが家にはシンプルでした。

ちなみにその積立資金は、まず固定費の見直しで捻出しました。保険を増やすより、固定費を削って投資に回すほうが、わが家には合っていました。

こういう人は学資保険が向いている

フェアに書いておきます。次のどれかに当てはまるなら、学資保険を検討する価値は十分あります

  • 貯金がどうしても続かない。強制力がほしい
  • 値動きを見るのがストレス。確定した金額のほうが安心できる
  • 親に何かあったときの備えも同時に用意したい
  • 生活防衛資金がまだ貯まっていない(わが家は生活費6ヶ月分

逆に、値動きに耐えられて、途中で引き出せる自由さを重視するなら、NISAのほうが合っていると思います。

迷うなら「併用」も現実的

ここまで「どっちか」で書いてきましたが、両方使うという選び方もあります。多くのFPが勧めるのがこれです。

やり方はシンプルで、「最低限ここまでは絶対に確保したい」という金額を学資保険で固めて、それ以上の上乗せ部分をNISAで増やしにいくという分け方です。

こうすれば、学資保険の確実性とNISAの成長性を両方取れます。「全部NISAは怖いけど、全部学資保険だと物足りない」という人には、いちばん現実的な着地点だと思います。

iDeCoも含めて「どの制度から手をつけるか」で迷っている場合は、iDeCoとNISA、どっちを先に始めるべきかも参考になると思います。

NISAで貯めるなら、出口も考えておく

最後にひとつだけ、大事なことを書いておきます。

NISAでの運用は元本保証ではありません。大学入学の直前に相場が下がっていたら、そのタイミングで必要な額を用意できない可能性があります。

なので、使う時期が近づいたら現金の比率を高めていくという工夫が要ります。高校生になったあたりから少しずつ利益確定して、現金に移していくイメージです。

「積み立てて放置」で完結しないのが、学資保険との違いでもあります。自由度が高いぶん、出口は自分で設計する必要があるということですね。

まとめ

  • 2026年は学資保険に追い風が2つ(予定利率の上昇・生命保険料控除の拡充)
  • 「学資保険は返戻率が低いからダメ」という論調はもう当てはまらない
  • ただし返戻率127.4%を年利に直すと約1.57%。同額をNISAで年利5%運用した場合とは170万円以上の差
  • 学資保険には契約者に何かあったときの払込免除という、利回りでは測れない価値がある
  • 一方NISAの強みは必要なときに引き出せること。教育費は大学入学時だけでなく、いつ来るか読めない出費が混ざる
  • わが家の結論は変わらずNISA。ただし理由は「増えそうだから」ではなく「引き出せるから」に変わった

教育費全体の見通しは教育費が不安な人へ(ガイド)にまとめています。