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毎年11月ごろ、会社から配られる年末調整の紙。保険会社から届いたハガキを見ながら、なんとなく書いて出していませんか。

わが家も正直そうでした。でも2026・2027年分、子育て世帯にちょっとした変更があります。生命保険料控除の枠が広がるんです。

ただ、調べてみると「拡充!」と喜べる話でもありませんでした。条件が細かく、人によっては1円も増えません

この記事では、何がどう変わるのか、自分が対象なのか、そして実際にいくら戻るのかを、正直にまとめます。

📖 この記事でわかること

  • 2026・2027年分で何が変わるのか
  • 自分が対象になるかどうか(4つの条件)
  • 実際に戻ってくる金額(正直、数千円です)
  • 知らないと損する3つの落とし穴
  • 夫婦それぞれ使えるという話

2026・2027年分、子育て世帯は控除の枠が6万円になる

まず変更点から。

これまで2026・2027年分
一般生命保険料控除の上限4万円6万円
3区分合計の上限12万円12万円(据え置き)

生命保険料控除には「一般」「介護医療」「個人年金」の3つの枠があります。今回広がるのは、そのうち「一般」の枠だけです。

そして大事なのが、3つ合計の上限12万円は変わっていないこと。ここが後で効いてきます。

この特例は2027年分まで延長されています。国税庁は、23歳未満の扶養親族を有する場合、2026・2027年分の一般生命保険料控除(新契約)の上限を6万円と案内しています。出典:国税庁「保険と税」

自分は対象?【4つの条件】

すべて当てはまる必要があります。

  • その年の12月31日時点で、23歳未満の扶養親族がいる
  • 2012年1月1日以後に契約した「新制度」の生命保険である
  • 一般生命保険料控除の枠を使っている
  • 所得税の話である(住民税は対象外)

子育て世帯なら1つ目はクリアしやすいですが、2つ目でつまずく人がいます。2011年以前に契約した保険は「旧制度」扱いで、今回の拡充の対象外です。

保険会社から届く控除証明書に「新制度」「旧制度」と書いてあるので、そこで確認できます。

いくら控除される?【計算表】

控除額は、年間に払った保険料から計算します。

年間の保険料これまでの控除額2026・2027年分の控除額
2万円以下全額全額(3万円以下まで)
4万円3万円3万5,000円
8万円4万円(上限)5万円
12万円以上4万円(上限)6万円(上限)

満額の6万円を受けるには、年間12万円以上=月1万円以上の保険料が必要です。

わが家のように保険料をしぼっている家庭だと、そもそも満額まで届きません。

で、実際いくら戻るの?

ここが一番大事なところです。

控除額=戻ってくる金額ではありません。控除は「税金の計算対象から差し引ける金額」なので、実際の減税額は控除額に税率をかけた分です。

たとえば控除が2万円増えた場合:

所得税率増える減税額
5%約1,000円
10%約2,000円
20%約4,000円

数千円です。「6万円に拡充」と聞いたときの印象より、ずっと小さいと思います。

しかも住民税は対象外なので、住民税側は1円も変わりません。

そもそも生命保険料控除でいくら戻るのかは、住民税ぶんも含めて生命保険料控除は実際いくら戻る?「控除4万円」でも戻るのは約6,800円に早見表つきでまとめました。この記事はそこに2026・2027年分について上乗せされる話だと思ってください。

わたしはこれを知って、正直ちょっと拍子抜けしました。ただ、申告書に書くだけでもらえるお金でもあります。数千円なら、子どもの上履き代くらいにはなります。

知らないと損する3つの落とし穴

落とし穴①:合計12万円の上限は据え置き

これが一番の罠です。

一般の枠が6万円に増えても、3区分合計の上限は12万円のまま。つまり介護医療保険や個人年金保険でも控除枠を使っている人は、合計12万円で頭打ちになり、拡充の恩恵をまったく受けられないことがあります

「6万円に拡充!」という見出しだけ見て喜ぶと、いざ計算したら1円も増えていない、ということが起こります。

落とし穴②:住民税は対象外

拡充されるのは所得税だけです。住民税の生命保険料控除は、これまで通りの上限のままです。

減税額を計算するときに住民税分まで足してしまうと、実際より多く見積もることになります。

落とし穴③:自動では適用されません

これが本当に大事です。

この特例は、年末調整の保険料控除申告書に、扶養親族と保険料を正しく書いて初めて適用されます。会社が勝手にやってくれるものではありません。

わたしもFP3級を勉強するまで、この手の控除は「会社が勝手にやってくれてる」と思っていました(その話はFP3級で学んだお金の知識3選に書いています)。

⚠️ 書き忘れたら、そのまま何も起こらずに終わります。申告書が配られたら、扶養親族の欄を必ず確認してください。

夫婦それぞれ使えます

見落とされがちですが、この特例は夫婦それぞれが適用を受けられます

子どもが1人でも、共働きで2人とも扶養に入れている場合、2人とも対象です。片方だけの話ではありません。

それぞれが自分の契約している保険について、自分の年末調整で申告する形になります。

わが家の場合:増えた控除は3,080円でした

実際に計算してみます。

わが家の生命保険は月2,180円。年間にすると26,160円です。

計算式控除額
これまで2万円超4万円以下 → 保険料×1/2+1万円23,080円
2026・2027年分3万円以下 → 全額26,160円

増えた控除額は3,080円。ここに所得税率をかけた分が、実際に減る税金です。税率20%なら約600円、10%なら約300円

……正直、拍子抜けしました。

ただ、書き忘れて0円になるよりはマシです。申告書の扶養親族欄を埋めるだけなので、手間に対する見返りとしては悪くありません。

保険料の額で恩恵はかなり変わります

計算していて気づいたんですが、保険料の水準によって効き方が全然違います

年間の保険料控除がいくら増えるか
2万円以下増えません(もともと全額控除のため)
2万円超〜12万円未満少し増える(わが家は3,080円)
12万円以上2万円増(4万円→6万円で最大)

満額の恩恵を受けられるのは、年間12万円以上=月1万円以上を払っている家庭です。それでも減税額は数千円ですが。

わが家のように保険をしぼっていると、増えるのはわずかです。とはいえ保険料が安いこと自体が得なので、そこは気にしていません。

まとめ

  • 2026・2027年分の所得税では、23歳未満の子がいる世帯は一般生命保険料控除の上限が4万円→6万円
  • ただし3区分合計の上限12万円は据え置き。他の枠を使っていると増えないことがある
  • 住民税は対象外。所得税だけの話
  • 実際に増える減税額は数千円(わが家は控除が3,080円増えただけでした)
  • 自動では適用されない。年末調整の申告書に扶養親族と保険料を正しく書くこと
  • 夫婦それぞれ使える

金額としては大きくありませんが、書くだけでもらえるものを取りこぼす理由もありません。年末調整の紙が配られたら、扶養親族の欄だけ確認してみてください。

教育費の準備全体については教育費が不安な人へ(ガイド)に、児童手当の使い道は児童手当どうしてる?みんなの使い道データと、わが家の答えにまとめています。2027年から始まるこどもNISAについても書きました。